2026年2月20日、ふと気になったニュース。
兵庫県が「分収造林事業」の債権を放棄する、という話。
金額は662億円。
正直、「そんな大きな話なのに、あまり見かけないな?」というのが第一印象でした。
でも少し調べてみると、
これ、兵庫だけの話じゃなくて、日本全体に起こっている問題らしい。
せっかくなので、通勤時間に自分なりに調べて整理してみました。
分収造林事業とは
すごくざっくり言うと、
「山のオーナー」と「木を育てる側」で利益を分ける仕組みです。
山の持ち主 → 土地を提供
公社や自治体 → 木を植えて育てる
数十年後 → 木を売って利益を分ける
いわば、未来の木材収入を前提にした超長期ビジネスです。
https://www.forest-hyogo.jp/work/02woods/index.html
いつから?なぜできたのか
この事業が始まったのは、昭和30年代(1960年前後)。
当時は、
高度経済成長で住宅需要が急増
木材がとにかく足りない
という時代でした。
だから、
「国産の木を増やそう」
「山も整備しよう」
という、かなり理にかなった政策だったと思います。日本中の山がはげ山になり、植林されたのがこの時期です。
何をする事業だったのか
やっていることはシンプルです。
・スギやヒノキを植える
・50〜80年かけて育てる
・木材として販売
・利益を分配
ただしポイントは
育てている間の資金は“借金”でまかなう
つまり、
先にお金を借りて、未来の収益で返す
という仕組みです。
この時点で、ちょっと綱渡り感はあります。
兵庫県で起きていること
今回の兵庫県のケースをもう少し具体的に。
県はこの事業について、
約662億円の債権放棄を決め、
県議会(20日の定例会)に議案提出予定とされています。
つまり
・投じた資金の大半は回収できない
・そのうえで事業から撤退
という、大きな決断です。
兵庫県では、この事業を
ひょうご農林機構 が担ってきました。
仕組みとしては、
・ 土地所有者と分収林契約を結ぶ
・ 奥地など手入れが難しい場所に植林
・ 長期で育てる
・将来の売却益を分ける
というもの。
山の荒廃防止や災害対策といった意味もあり、単なるビジネス以上の役割も担っていました。
問題は何だったのか
木材価格の低迷
・ 外国産木材の輸入増加
・ 国産材の価格が下落
前提としていた収益が出なくなった
借金モデルとのミスマッチ
・ 収入は将来
・ 支出と利息は今
負債の膨張
結果として、 ひょうご農林機構 は
700億円を超える負債を抱えるまでに拡大。
全国でも最大規模と言われています。
そして今回、
債権放棄という形で区切りをつけた
という流れです。
他県の状況は
この問題、兵庫だけではありません。
同じ仕組みは全国で行われてきたため、
似た構造の問題を抱えている自治体は多い
と言われています。
むしろ、
「これから表に出てくる話」
なのかもしれません。
まとめ(個人的に感じたこと)
この事業、仕組みだけ見ると立派なんです。ただ、「植えるところまではいいけど、その先の設計が弱い」
本来であれば、
・ 作業用道をどうつけるか
・ 何年で伐採するか
・ 搬出コストはいくらか
・ いくらで売れる見込みか
こういった「出口」まで設計されて初めて、事業として成立するはずです。
でも実態としては、
「まず植える」→「あとは未来へ」
そんな印象を受けます。
さらに気になるのは運営の中身。
林業ってかなり専門性が高いはずですが、「本当に現場目線で動ける体制だったのか?」
という疑問も正直あります。
あとよく聞くのが、
「今伐ると赤字だから契約延長」
という話。
これも一見合理的ですが、
・ 借金は減らない
・ 利息は増える
結局は役所あるあるの先送りでは?
とも感じてしまいます。
最後に
分収造林事業は、
・ 当時としては正しかった
・ 社会的な意味もあった
ただ、
前提が変わったのに止められなかった
その結果が、今なんだと思います。
今回の兵庫県の判断については、
「ようやく向き合った」
という印象です。
もちろん評価は分かれると思いますが、
どこかで区切りをつけないと終わらない問題なのも事実と思いました。